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                me = mi



so                         i am me.

the me              that is mine      is also        me.
the me              that i think of    is                 me too.
the fact             that i am me that                       too is mine.

        

me = mi
me = mi
me = mi
me = mi

かたちを行き来し、私の内なる層を越えて。
この作品では、ペインティングとダンスが溶け合うように展開していきます。
線は現れては消え、動きは始まり、
やがてほどけていく。
影を通して、肌を通して、リズムが流れていく。
目の前にいる「私」は、呼吸をしている。
これは、何かを「語る」ための作品ではありません。
感じられたことや、すり抜けていくものの輪郭を、
そっと「なぞっていく」試みです。

このパフォーマンスは、ひとりの人物が自らの影――あるいは写し身――を見つめる場面から始まります。
彼女はその影の色、質感、重さに目を凝らし、
それが本当に自分のものなのかと問いかけます。
静かで内省的な対話のなか、彼女は少しずつ自分自身と向き合っていきます。

物語は、言葉ではなく、身体の動きを通して紡がれていきます。
ひとつひとつの動きが問いとなり、
沈黙は耳を澄ますための時間となる。
彼女は、自分が見ているもの、感じているものが、
本当に「自分のもの」なのかを、確かめようとしています。


dancing drawing project     : me = mi

このダンスとドローイングを融合させた作品「me = mi」は、ユキモトヒナコによって創作されました。
2025年7月6日、オランダ・ハルリンゲンの自然の中で初演され、
日本人ピアニスト・井上加奈子との共演により上演されました。
演奏は即興ピアノと、バッハの「フランス風サラバンド」によって構成され、
風や鳥の声といった自然の音に包まれる中で、
この作品は自然との対話へと変化し、周囲の環境と響き合いました。



ユキモトヒナコはこう語ります。

私は時々、立ち止まって自分に問いかけたくなるんです。
“ねぇ、私は今、どうしてる?”って。
あの静かな内側の空間では、何が起きているのか、と。

『me = mi』は、私が私自身と対話する時間でもあります。
目の前に映る影のような、もうひとりの自分。
それはまるで、静かな層のように
私の奥深くに重なって存在しています。

この作品では、me(私)と mi(私)が
耳を澄まし合う、そのやわらかな瞬間を観客のみなさんと共有できたらと思っております。

me = mi
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